
未明から、
深夜まで。
田舎の山で夫婦2人が営む小さな個人農園。ぶどうだけを育ててきた専業農家はそれぞれが摘粒や基肥など多岐にわたる独自基準とこだわりを持ち、職人というよりまるで研究者です。
太陽が昇る前には畑に出て、交代しながら深夜まで作業が続く。日々の生育状況を見ながら考える、対処するの繰り返し。どれだけ暑かろうが大雨だろうが関係ありません。私の中で農家は「晴耕雨読」のイメージでした。
「別にうちだけじゃないですよ、みんなこんな感じです」と笑うお2人の姿がとても印象的でした。
懐中電灯がなければ、
目を開けても閉じても同じ。
電気も通ってない山の中の畑。月がなければ漆黒の闇です。
鹿や猪の足音や気配に注意しながら作業しないと、その辺にいるわけです。普通に何頭も。もちろん畑の周囲に獣よけの電柵や侵入防止用の仕掛けがいくつもありますが、それでも皆どうにか入ってこようとしています。
「怖いですね」と言うと「本当に怖いのは足音が近づいてきてるのに誰もいない時と、畑に来たら動物に食い荒らされて何もなくなってる時です」と。ちなみに、獣害等で出荷できなかったぶどうは一昨年が全体の4割、昨年は全体の6割だったそうです。予想を軽く超え、かなりの量でした。

2025年 全国ぶどう選手権
そんな2人の腕試しです。 全国にあるぶどうの品種や産地を問わず、シンプルにどれが1番美味しいのか「匿名&味だけ」で競う大会、全国ぶどう選手権にエントリー。
ここでの問題は、獣害で畑の6割を失ったことではありません。 開催地は東京、9月後半。この時期は山梨・長野・岡山の旬、ど真ん中です。ちなみにシャインマスカットの東京市場取扱量の約94%を、この3県が占めています。一方、福岡産がもっとも美味しいとされるのは8月中旬〜後半。
つまり、自分たちの旬を過ぎてから、巨大産地群の全盛期に、真っ向から挑むことになる。収穫できる数量も限られている中、ここからが研究者である2人の腕の見せどころです。


高すぎた壁
「2025年に収穫された全ぶどうの中で1番美味しい」と最高金賞に選ばれたのは、ピオーネ(長野県産)でした。
新種や個性的な品種が並ぶ中、半世紀以上前からある、いわゆる一般的なぶどう。その普通のぶどうが「1番美味しい」という称号を得る。巨大産地群の壁の高さ、選手層の厚さに慄いた、というお2人の感想が印象的でした。事実、各賞に名を連ねたベスト8のうち、7組が長野・山梨・山形・岡山の巨大名産地。
それ以外の土地から食い込んだのは、銀賞を受賞したわずか1組のみ。そして、そのぶどうこそが今回出品されたシャインマスカットの中での最上位。
全国ぶどう選手権2025、シャインマスカット生産農家の頂点に立ったのは、福岡県のひよし農園の2人でした。
職人のジレンマ
この2人は、今もしっかり研究者です。賞を獲って以降も、さらに時間と手間をかけ、さらなる高みを目指しています。
シャインマスカットに限らず、昨年の覇王ピオーネ、巨大名産地の人気品種であるマスカサーティーン、クイーンニーナ、ナガノパープルまで、研究と育成に余念がありません。
一方で、受賞をきっかけに問い合わせは増えましたが、通販は過去のトラブルや品質管理の懸念から、正直あまり気が進まない。かといって直売所で小売をやれば、二人が何より重視する「畑と向き合う時間」が削られる。
そんな職人としてのジレンマがありました。


そこで今回、
日本一に輝いたシャインマスカットを、より多くの方に味わっていただける仕組みをつくりました。
お2人には畑での作業に集中してもらい、最高のタイミングで選別・収穫したものを、その日のうちに冷蔵車を活用して新鮮な状態を保ちながら、自社便でお客さまへ直接お届けする。それが、あさからショップです。
思い出してください。審査員が口にしたのは、旬をわずかに過ぎ、福岡から遠路はるばる数日かけて東京まで運ばれていき、審査当日まで待たされた一房。それでも、頂点でした。
では、この2人が「最高のタイミング」と見極めて収穫した、旬のど真ん中の味は?
それを知っているのは、まだ、あの2人だけです。
数量は限られていますし、配送の日時指定もできませんが、皆さまからのご予約を心よりお待ちしております。
販売単位:1箱(約600g)
販売価格:4,000円(消費税込)
配送用保冷箱:300円
送料:無料(当日配送便の指定地域)
ひよし農園のお2人が育てた「日本一」を、1番おいしい瞬間のまま、あなたのお手元へ。
ぜひ。